「HSS型HSP」の“矛盾”の正体と才能を活かした生き方のコツ4選

HSP

「新しいことに挑戦したい!」と心がワクワクする瞬間と、「人混みや騒音にぐったり疲れてしまう」繊細な心。この二人の自分が、まるで心の中でケンカしているかのように感じて、生きづらさを抱えていませんか?その感覚の正体は、あなたの「わがまま」や「気まぐれ」ではありません。

それはHSS型HSPという、生まれ持った特別な気質かもしれません。

この記事では、メンタルケアカウンセラーの資格を持つ私が、その複雑で誤解されやすい「HSS型HSP」の心の仕組みを解き明かし、あなたの“矛盾”が、いかに素晴らしい才能であるか、そしてその才能を活かして、もっと楽に生きるための具体的なヒントを解説していきます。

そもそも「HSS型HSP」とは?

「HSS型HSP」という言葉は、少し複雑に聞こえるかもしれません。これは、二つの異なる気質が一人の人間の中に共存している状態を指します。ご自身の心の“特徴”を理解するために、まずはその二つの要素について見ていきましょう。

繊細なブレーキ役「HSP」気質

HSP(Highly Sensitive Person)とは、物事を深く感じ取り、些細な刺激にも敏感に反応する、非常に繊細な気質を持つ人のことです。安心・安全を好み、変化を慎重に捉えるため、心の「ブレーキ」のような役割を果たします。周りの人の感情にも影響されやすく、深く共感する力を持っています。

好奇心旺盛なアクセル役「HSS」気質

一方、HSS(High Sensation Seeking)とは、好奇心が旺盛で、常に新しい刺激や経験を追い求める気質のことです。退屈を嫌い、変化や冒険に心を躍らせるため、心の「アクセル」のような役割を担います。行動力があり、物事を始めることへのハードルが低いのが特徴です。

アクセルとブレーキを同時に踏む、複雑で豊かな個性

HSS型HSPとは、この感度の良い「ブレーキ(HSP)」と、高性能な「アクセル(HSS)」を、どちらも人一倍強く持っている人のことです。そのため、「行動したいのに不安」「刺激が欲しいのに疲れる」といった、内面的な矛盾を常に抱えやすく、周囲からは「よく分からない人」と誤解されたり、自分自身でもエネルギーの消耗が激しく、生きづらさを感じやすいのです。

「もしかして私も?」HSS型HSPあるあるチェックリスト

HSS型HSPの気質を持つ方には、特有の思考や行動パターンが見られます。カウンセリングの現場でもよくお聞きする「あるある」をリストアップしました。ご自身に当てはまるものがあるか、チェックしてみてください。

  • 初対面では「社交的だね」と言われるが、大人数の飲み会は苦手で、二次会には絶対行きたくない。
  • 新しい趣味や勉強を始めるのは大好きだが、すぐに飽きてしまい「また中途半半端に…」と自己嫌悪に陥る。
  • 一人旅は大好きだが、事前の計画を完璧に立てないと不安で動けない。
  • たくさんのアイデアが浮かぶのに、リスクを考えすぎてしまい、結局何も手につかなくなることがある。
  • 人と深く関わりたいという強い欲求がある一方で、傷つくのが怖くて無意識に距離を置いてしまう。
  • 「安全な場所にいたい」と強く思うのに、平凡な毎日が続くと「退屈で死にそうだ」と感じる。

あなたはいくつ当てはまりましたか?上記のチェックリストで当てはまる数が多いほど、HSS型HSPである可能性が高いです。

次の項目からは、HSS型HSP気質の特徴や、穏やかに生きるためのコツを紹介していきます。

「天才」か「変わり者」か。その“矛盾”は才能の裏返し

「強みだと感じながらも、頑張りすぎている自分を見せられず孤独を感じてしまう…」。多くのHSS型HSPさんの心の叫びだと思います。あなたのそのユニークさは、周囲に理解されにくい一方、類まれなる才能の源泉でもあるのです。

強み①:鋭い直感力と大胆な行動力

繊細なアンテナ(HSP)で、他の人が見過ごすような物事の本質や将来のリスクを直感的に察知し、大胆な行動力(HSS)でそれをスピーディーに形にすることができます。この能力は、特に企画開発や経営、クリエイティブな仕事で大きな強みとなります。

強み②:深い共感力と人を惹きつけるカリスマ性

人の気持ちを深く理解できる共感力(HSP)と、持ち前の好奇心や情熱で周りを巻き込む力(HSS)を兼ね備えています。そのため、人の心に寄り添いながらも、力強く集団を導くことができる、優れたリーダーとしての素質を秘めています。

弱み:エネルギー消費が激しく「燃え尽きやすい」

常にアクセルとブレーキを同時に踏み込んでいるような状態のため、心身のエネルギー消費が非常に激しいのが特徴です。自分でも気づかないうちにキャパオーバーに陥り、突然バッテリーが切れたように動けなくなる「燃え尽き症候群(バーンアウト)」になりやすい傾向があります。

あなたの心の“取扱説明書” – 才能を活かして楽に生きる4つのコツ

その豊かな才能を活かし、燃え尽きを防ぐためには、ご自身の「心の取扱説明書」を作成することもおすすめです。この項目では、心の取扱説明書を作成するために、今日から実践できる4つの具体的なコツをご紹介します。

コツ①:「飽きる」を「卒業する」と捉え、自分を責めない

一つのことが続かない自分を「中途半端だ」と責める必要はありません。それは「飽きた」のではなく、あなたの旺盛な好奇心が、その分野で学ぶべきことを吸収しきって「卒業した」だけなのです。様々な分野の知識や経験を持つことは、あなたをより魅力的な人物にします。

私自身はHSE型HSPですが、比較的好奇心が旺盛なため、様々な物事に対して興味を持ち、一つのことに対する熱が持続できずに悩んでいた時期がありました。

しかし、好奇心を持つことは、誰に強制されるものでもなく、自分自身の可能性を広げたり、人生を豊かにするための素敵な心です。

「飽きた」のではなく、「卒業した」と考えることで、その時間が決して無駄な時間ではなかったと思えるようになるでしょう。

コツ②:“高刺激・低負荷”な時間で心を満たす

「刺激は欲しい、でも人付き合いは疲れる…」そんな時は、“高刺激・低負荷”な趣味を見つけましょう。例えば、「一人カラオケ」「ソロキャンプ」「美術館めぐり」「語学の独学」など、自分のペースで集中して刺激を味わえる時間は、あなたの心を安全に満たしてくれます。

私は、読書が趣味です。「読書」と聞くと刺激が少ないように感じるかもしれませんが、ミステリー作品など、刺激を味わいながら低負荷で楽しむ方法もあります。

コツ③:休息をスケジュールに「予約」する

HSS型HSPさんは、活動している時は疲れに気づきにくく、限界を超えてからダウンしがちです。そうなる前に、カレンダーや手帳に「何もしない日」をあらかじめ「予約」してしまいましょう。休息は、サボりではなく、次へのアクセルを踏むための重要なメンテナンスです。

私も、「何もしない日」は必ず設けています。なにも意識していなかったとき、気づかないうちに疲労が蓄積し、突然強い疲労感に見舞われ、しばらく何もできなくなった経験があります。

それ以降は、「何もしないのも立派な予定」と捉えるようになり、調節をすることができるようになりました。

コツ④:自分の「エネルギーの消費」を正直に伝える

親しい友人やパートナーには、「すごく楽しいんだけど、少し疲れてきてしまったから、先に帰るね!」のように、自分の状態を正直に伝える練習をしてみましょう。あなたを本当に大切に思ってくれる人なら、きっとその繊細さを理解し、受け入れてくれるはずです。

あなたの心の疲労は、何も伝えずに第三者から理解を得ることは難しいです。目で見てわかることではないからこそ、勇気を出してあなた自身の心を守ってあげましょう。

まとめ:あなたの心が躍る未来へ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

HSS型HSPであるあなたは、矛盾しているのでも、変わり者なのでもありません。人よりも多くの側面を持ち、物事を深く感じ、大胆に行動できる、「豊か」な人なのです。

カウンセラーとして、そして同じ繊細な気質を持つ一人として、あなたに伝えたいことがあります。

「今は、その複雑な自分に疲れてしまうこともあるでしょう。でも、どうか忘れないでください。あなたの心が躍る未来に、あなたの本当の生き甲斐が待っています」

まずは、あなたの「心の取扱説明書」を1ページだけ作ってみませんか?

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