「なんだか分からないけど、秋や春になるといつも体が重い…」
「頭痛やめまいがひどくて、やる気も出ない…」
まるで全身に重たい何かがまとわりついているような、心身ともにダル重な状態。周りからは「気のせいじゃない?」「考えすぎだよ」と言われ、本当はしんどいのに、「自分はサボっているだけなのかも…」と、あなた自身も思い込んでしまってはいませんか?
その毎年繰り返す原因不明の不調、あなたの繊細な気質(HSP)と「自律神経」が深く関係しているのかもしれません。
この記事では、HSP当事者であり、メンタルケアカウンセラーの資格を持つ私が、なぜHSPさんが季節の変わり目に特に不調を感じやすいのか、その仕組みと、今日からできる優しいセルフケアを具体的に解説していきます。
なぜHSPは季節の変わり目に弱い?“神経のアンテナ”の仕組み
HSPさんがなぜ他の人よりも季節の変化に影響されやすいのか。それは、あなたの体が弱いからでも、気持ちが足りないからでもありません。そこには、ちゃんとした理由があるのです。
この項目では、季節の変わり目の体調変動が、あなたのせいではないという具体的な理由を、3つに分けてご紹介します。
常にフル稼働!HSPの敏感な神経システム
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)は、五感が鋭く、他の人が気づかないような光、音、匂いといった些細な情報までキャッチする“高感度のアンテナ”を生まれつき持っています。そのため、脳や神経系は常にフル稼働状態で、自分でも気づかないうちに多くのエネルギーを消費しています。
自律神経とは?心と体をコントロールする司令塔
自律神経とは、呼吸や体温、血圧、消化などを24時間自動でコントロールしてくれる、生命維持に不可欠な神経です。活動モードの「交感神経(アクセル)」と、休息モードの「副交感神経(ブレーキ)」の二つが、シーソーのようにバランスを取り合うことで、私たちの心身の健康は保たれています。
季節の変わり目は“刺激のオンパレード”
気温、気圧、湿度、日照時間…。季節の変わり目は、HSPさんの高感度アンテナが拾ってしまう「刺激」で溢れ返っています。私たちの体は、この環境の激しい変化に対応しようと、自律神経のアクセルとブレーキを何度も激しく踏み変えます。情報処理の多いHSPさんは、この調整に人一倍エネルギーを使うため、自律神経のバランスが崩れやすくなってしまうのです。
これってサインかも?自律神経の乱れセルフチェック
「もしかして私も?」と感じたら、ご自身の心と体のサインに耳を澄ませてみましょう。カウンセリングでもよくお聞きする、自律神経の乱れのサインをリストアップしました。
- 朝、すっきりと起き上がることができない。
- 立ちくらみや、めまいがすることが頻繁にある。
- 原因不明の頭痛や肩こりに長期間悩んでいる。
- 食欲がなかったり、胃がもたれたりすることが多い。
- 夜、なかなか寝付けない、または眠りが浅い。
- 理由もなく不安になったり、急に気分が落ち込んだりする。
- 以前より、小さな物音や光が気になってしまう。
あなたも、このような体のサインを「自分が弱いせいだ」「サボっているだけだ」と、一人で抱え込んでしまっていませんか?そのようなSOSサインは、あなたが怠けているわけでも、あなたのせいでもありません。次の章で、その理由を優しく解き明かしていきましょう。
人生に“句読点”を打つ、心をゆるめる“体”のお守り習慣4選
セルフケアは、あなたの人生における「句読点」のようなものです。文章に句読点や余白が必要なように、私たちの心と体にも、一区切りつけるための「余白」が必要です。ここでは、頑張らなくてもできる、具体的な“句読点”の打ち方を、4つご紹介します。
習慣①:3秒吸って6秒吐く「おだやか深呼吸」
息を吐く時間を長くすると、リラックスの神経である「副交感神経」が優位になります。不安になった時や寝る前に、鼻から3秒かけてゆっくり息を吸い、口から6秒かけてさらにゆっくりと息を吐ききる。これを数回繰り返すだけで、高ぶった神経は穏やかさを取り戻します。
私も、「深呼吸をするだけで効果あるの?」と半信半疑でしたが、一度試してみると、想像以上にリラックスできました。
習慣②:首の後ろをホットタオルで温める
首の後ろの付け根あたりには、自律神経に関わる大切な神経や血管が集中しています。濡らしたタオルを電子レンジで温め、ビニール袋に入れて首の後ろに当てるだけ。じんわりとした温かさが全身の緊張をほぐし、心もリラックスモードに切り替わります。
首の後ろを温めると、リラックス効果に加えて、首コリや肩こりなどにも効果があります。じんわりとした温かさで、体も心もほぐすことができるでしょう。
習慣③:寝る前5分の「手足ぶらぶら体操」
布団の上で仰向けになり、手と足を天井に向けて、力を抜いてぶらぶらと揺らします。ただそれだけです。体の末端に溜まった緊張や血液が解放され、全身の巡りが良くなり、心地よい眠りへと誘います。
滞った血液が流れることで、体のだるさも少し軽減することができて、「手足ぶらぶら体操」をするだけでも、ちょっとした気分転換にもなります。
習慣④:「今日の刺激、お疲れ様」と自分を労わる
一日の終わりに、「今日もたくさんの刺激を感じて、私の体はよく頑張ったね」と、心の中で自分自身を優しく労ってあげましょう。不調を「サボっている証拠」と責めるのではなく、「頑張ってくれた体からのサイン」と捉え直すことが、何よりのセルフケアになります。
心身ともに疲労がたまっている時ほど、意識しなければ自分自身を労うことが難しくなってきます。そんな時こそ、意識的に普段頑張っている自分に対し「おつかれさま」とねぎらいの言葉をかけてあげることで、リフレッシュすることができるでしょう。
まとめ:不調のサインは、あなたの体が「休んで」と伝えている証拠

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
季節の変わり目に感じるしんどさは、あなたが弱いからではありません。しんどくなってしまうのは、人一倍頑張ってくれているあなたの体が、「少し休もうよ」「余白を作ろうよ」と優しく教えてくれている、大切なサインなのです。
まずは、今晩あなた自身に「おつかれさま」と声をかけてあげることから始めてみませんか?
自分の体の声に耳を澄ませ、人生に上手な句読点を打ちながら、ゆらぎの季節も、あなたらしく穏やかに乗り越えていきましょう。


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