【10分でわかる】『嫌われる勇気』の要約|人間関係の悩みが消えるアドラー心理学3つの教え

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自己啓発本のベストセラーとして有名な『嫌われる勇気』。

「気にはなっているけど、分厚くてまだ読めていない」「哲学って、なんだか難しそう…」その様に感じている社会人の方も、多いのではないでしょうか?

この記事では、そんなあなたのために、『嫌われる勇気』が持つ、生きづらさを軽減させてくれる力強いアドラー心理学を、10分で読めるようにギュッと凝縮します。

アドラー心理学の中でも、私たちの悩みの9割を占めるとも言われる「対人関係」に焦点を当て、心が軽くなる考え方を、3つの項目に分けてご紹介していきます。

心の呪いを解く教え①:「課題の分離」―他人の評価は、あなたの課題ではない

『嫌われる勇気』が提示する、人間関係の悩みを解決するための最も革命的な考え方が、この「課題の分離」です。これは、「それは、誰の課題なのか」を冷静に見極め、他人の課題には踏み込まない、というシンプルな考え方です。

なぜ、私たちは他人の顔色をうかがってしまうのか?

それは、「相手にどう思われるか」「嫌われないか」というように、他人からの評価を自分のことのように気にしているからです。 アドラー心理学では、これを「他人の課題に土足で踏み込んでいる状態」と考えます。

「あなたのことをどう思うか」は、あなたにはコントロールができない、“他人の課題”です。

それに対して、あなたがコントロールできるのは、「自分がどうあるか」「誠実な態度でいるか」という、“自分の課題”だけなのです。

「自分の課題」と「他人の課題」を分ける練習

例えば、あなたが上司に正直に意見を伝えたとします。

  • 自分の課題
    • 「事実に基づいて、誠実に、失礼のないように意見を伝えること」。ここまでが、あなたの課題です。
  • 他人の課題
    • 「その意見を聞いて、上司がどう思うか、機嫌が悪くなるか、あなたをどう評価するか」。それは、すべて上司の課題です。

他人の課題にまで責任を持とうとすると、どうしても心が疲れてしまいます。

「ここまでは自分の責任。でも、ここから先は相手の責任」。この境界線を引く勇気こそが、「嫌われる勇気」の第一歩なのです。

幼少期から他人軸だった私も、「課題の分離」を意識するようになってから、「他人の機嫌は、私のせいじゃない」と割り切れるようになり、少しずつ心が軽くなりました。

心の呪いを解く教え②:「承認欲求」を捨てる

「課題の分離」ができて、他人の評価は「他人の課題」だということは分かった。それでも、私たちが人間関係に悩むのは、心の奥底で、常に誰かからの「承認」を求めているからです。

なぜ私たちは「承認」を求めてしまうのか?

「誰かに褒められたい」「すごいと思われたい」「嫌われたくない」

このような「承認欲求」に、私たちは常に心を支配されています。

褒められるために頑張る。好かれるために自分の意見を曲げる。

それは、他人の評価を自分の価値基準にした、「他人の人生」を生きている状態だ、とアドラーは厳しく指摘します。

「嫌われる勇気」が、あなたを自由にする

では、どうすればいいのか?答えは意外にもシンプルで、「他人の期待を満たすために生きるのを、やめる」ことです。

  • 親が喜ぶからという理由で会社を選ぶのではなく、自分が本当にやりたい仕事を選ぶ
  • 上司に褒められるためではなく、自分が「良い仕事だ」と信じるから、その仕事をする

優しい人ほど、このような考え方に対して、「冷たい」と思ってしまうかもしれません。しかし、アドラーはこう言います。

「自由とは、他者から嫌われることである」

他人の評価を恐れず、自分の信じる道を行く。 それこそが、本当の意味で「自分の人生」を生きることであり、究極の自由なのです。

誰もが愛する国民的キャラクターでさえも、嫌われることがあります。そうはいっても、初めの一歩を踏み出すためには、「嫌われる勇気」が必要です。思い切って勇気を出して、初めの一歩を踏み出すことで、「承認欲求」から解放されて、少しずつ「生きやすさ」を体感することができるでしょう。

心の呪いを解く教え③:「いま、ここに」集中する

「課題を分離」し、「承認欲求」を手放す。それでも私たちを苦しめるのが、過去への後悔と、未来への不安です。その最後の呪いを解くための鍵が、「いま、ここに、集中する」という考え方です。

人生は「線」ではなく、「点」の連続

私たちはつい、「過去のあの失敗があったから、今の私はダメなんだ」と過去に縛られたり、「将来成功するためには、今は我慢の時期だ」と、未来のために今を犠牲にしてしまうことがあります。これは、人生を過去から未来へ続く、一本の「線」として捉える考え方です。

しかし、アドラー心理学では、そう考えません。人生とは「いま、ここ」という点」の連続である、と考えるのです。

「いま、この瞬間」だけが、私たちが生きられる場所

過去に何があったかも、未来がどうなるかも、本当は関係ない。私たちが生きられるのは、「いま、この瞬間」だけ。その瞬間に、全てのエネルギーを集中させて、真剣に丁寧に生きる。

例えば、ダンスを踊っている時、ひとつひとつのステップやターンが、それ自体で一つの動きとして完結しています。人生もそれと同じで、「いま、ここ」を真剣に生きることで、「いま、ここ」の状態が日常となり、常に満たされた状態を保つことができるようになるのです。

「将来、成功できるだろうか…」と、漠然とした不安に精神を割かず、「“いま、ここ”で、自分にできることをしようと考えることで、「自分軸」を育てられるようになります。

過去の後悔も、未来への不安も、「いま、ここ」に焦点を当てれば、その影は自然と消えていく。 それが、アドラー心理学が示す、最強の生き方なのです。

おわりに:読み終えた時、あなたの世界は少しだけ変わる

「課題の分離」「承認欲求の否定」「いま、ここに集中する」。アドラー心理学の教えは、時に厳しく、しかし、私たちの心をがんじがらめにする呪いを解く、心強い教えだとは思いませんか?

『嫌われる勇気』が教えてくれるのは、「あなたの人生の主人公は、あなたしかいない」という、シンプルで揺るぎない事実です。

他人の評価に一喜一憂する人生から、自分の価値を自分で決める人生へ。その舵を切る力は、誰かに与えられるものではなく、すでにあなたの中にあります。

もちろん、明日からすぐにすべてを実践できるわけではありません。でも、もし明日、誰かの顔色をうかがいそうになった時に、「これは、誰の課題だっけ?」と、心の中で少しだけ立ち止まれたなら…。

その瞬間、きっとあなたの世界は昨日とは少しだけ、違って見えるはずです。

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