けたたましいスマホのアラーム音でなんとか目覚め、ベッドの中で無意識にSNSをチェック。 「あー、もうこんな時間…」とため息をつきながら、コーヒーを流し込んで、すぐに仕事モードへ…。
一日が始まる前から、なんだかもう疲れていると感じる方は、多いのではないでしょうか?
そんな毎日を変えたくて「モーニングルーティン」を調べてみても、「朝5時起きでランニング」「手の込んだ朝食作り」…。ハードルの高いものばかりで、始める前から疲れてしまった経験をした方もいるかと思います。
でも、安心してください。この記事で提案するのは、完璧な朝活ではありません。
たった5分から始められる、あなただけの**「ごきげんモーニングルーティン」の作り方**です。
この記事を読めば、朝の数分間を「自分を大切にする時間」に変え、もっと穏やかで前向きな気持ちで一日をスタートさせるための、具体的なヒントが見つかります。
この記事で紹介する「モーニングルーティン」とは?
「モーニングルーティン」と聞くと、SNSで見かけるような「朝5時に起きてヨガをして、スムージーを飲んで、朝日を浴びながら読書…」といった、すごく意識の高い、キラキラしたものを想像していませんか?
もちろん、それも素敵なモーニングルーティンです。 でも、この記事で提案するのは、初めての方でも取り入れやすい、簡単に始められるモーニングルーティーンです。
この記事におけるモーニングルーティンとは、「朝のほんの数分間を、意識的に『自分のため』に使うことで、一日の“心のハンドル”を自分で握るための、あなただけの小さな儀式」のことです。
一日を、「やらなきゃいけないこと」に追われる“受け身”の状態で始めるのではなく、朝一番に「自分のための時間」を持つことで、一日を“能動的”に始める。 それだけで、心には余裕が生まれ、日中の予期せぬストレスにも、少しだけうまく対処できるようになるのです。
カーテンを開けて、一杯の白湯を飲む時間。 たったそれだけでも、あなたの一日を、そして人生を豊かにしてくれる、立派なモーニングルーティンなのです。
なぜ「自分だけの朝の時間」が心の健康にこんなに大切なのか?
「朝の数分だけで、本当に一日を変える力なんてあるの?」と、疑問を持つ方もいると思います。 しかし、朝の過ごし方は、私たちが思っている以上に、その日一日の心の状態を左右します。 その理由は、大きく分けて3つあります。
理由①:一日の「主導権」を自分で握れるようになるから
朝起きて一番にスマホをチェックすると、その日の始まりが「他人からの通知」や「世の中のニュース」という“受け身”の状態でスタートしてしまいます。 これでは、一日中、周りの出来事に振り回されるモードになりがちです。
逆に、朝のほんの数分間だけでも自分のために使うことで、「この一日は、私が主役だ」と、心の“主導権”を握ることができます。 「やらされる」一日の始まりから、「自分で始める」一日へ。この小さな意識の違いが、心の余裕に大きく繋がるのです。
理由②:脳のムダなエネルギー消費を抑えられるから
私たちの脳が一日で使える意思決定のエネルギーには、限りがあると言われています。 朝、バタバタと「何を着よう?」「朝ごはんはどうしよう?」と決めていると、脳は午前中のうちにエネルギーをたくさん消費してしまいます、これを「決断疲れ」と言います。
モーニングルーティンで朝の行動を“習慣化”しておけば、何も考えなくても体が動くので、この脳のエネルギーを節約できます。その結果、日中の大事な仕事や、本当に考えるべきことに、もっとエネルギーを使えるようになるのです。
理由③:ストレスに対する「心のクッション」ができるから
穏やかな朝を過ごすことで、心に「余白」が生まれます。
この「心の余白」は、いわばクッションのようなもの。 日中に上司から厳しいことを言われたり、予期せぬトラブルが起きたりしても、この朝に作ったクッションが衝撃をしっかり和らげてくれるので、感情的に反応しすぎたり、深く落ち込んだりするのを防いでくれます。
穏やかな朝は、その日一日を乗り切るための、心のお守りになってくれるのです。
選んで作る、あなただけのモーニングルーティン「アイデアビュッフェ」12選
ここまで、「朝の時間」の大切さを解説してきました。ここからは、あなただけの「ごきげんモーニングルーティン」を作るための、アイデアビュッフェの開店です!
「5分」「10分」「15分」のコースから、好きなものを好きなだけ選んで、自分だけのオリジナルコースを作ってみてください。大切なのは、「やらなきゃ」ではなく、「これ、心地よさそう」で選ぶことです。
🥗 前菜:まずはここから!心を落ち着ける【5分習慣】
- カーテンを開けて、朝日を浴びる
- 体内時計がリセットされて、心も体も「朝だ!」と自然に目覚めます。
- 一杯の白湯を、ゆっくり飲む
- 寝ている間にカラカラになった体に、内側から優しく水分補給。胃腸も温まって、活動モードに。
- お気に入りの音楽を1曲だけ聴く
- その日一日をどんな気分で過ごしたいか、音楽の力で心をチューニングします。
- ノートに今の気持ちを3行だけ書く
- 頭の中のモヤモヤを書き出すことで、スッキリした気持ちで一日を始められます。
🍝 メインディッシュ:ちょっとだけ動いてみよう!体を優しく起こす【10分習慣】
- ベッドの上でできる、簡単なストレッチ
- 凝り固まった体をゆっくり伸ばして、血の巡りを良くします。「今日もよろしくね」と体に挨拶するような優しい気持ちで行うと、より効果的です。
- 部屋の換気をして、ベッドを整える
- 空気を入れ替えるだけで、気分がリフレッシュ。整えられたベッドが、朝一番の「できた!」という小さな達成感もくれます。
- 観葉植物やペットの世話をする
- 自分以外の「いのち」に触れることで、心が穏やかになり、優しい気持ちが湧いてきます。
- 家の周りを、音楽を聴きながら少しだけ散歩する
- 軽い運動と日光浴の組み合わせは、幸せホルモン「セロトニン」を増やす最強のスイッチです。
🍰 デザート:未来の自分が喜ぶ!余裕を作る【15分習慣】
- 今日やることを、手帳に書き出す
- 頭の中の「あれやらなきゃ…これやらなきゃ…」を書き出すことで、脳のメモリが解放され、目の前のことに集中できます。
- 15分だけ読書や勉強をする
- 誰にも邪魔されない朝の時間は、自己投資に最適。たった15分でも、一ヶ月続ければ大きな力になります。
- 簡単な朝食を、味わって食べる
- スマホを見ながらではなく、パンの香りやコーヒーの味をしっかりと感じながら食べる。体も心を満たすことができる、大切な時間です。
- 夜に楽ができるように、簡単な家事をする
- 洗濯物だけ畳んでおく、夕食の野菜だけ切っておくなど。夜の自分を助けてあげることで、一日の終わりに余裕が生まれます。
ビュッフェでたくさんお皿に盛りすぎると、食べるのが苦しくなるのと同じで、「朝活ビュッフェ」も、無理にやりすぎると負担を感じてしまいます。その為、この項目で紹介した「朝活ビュッフェ」は、無理にたくさん取り入れる必要はありません。
「明日から頑張る」で終わらせない!三日坊主を防ぐ2つのコツ
「よし、明日からやってみよう!」。 前の章を読んで、そう決意してくれた方もいるかもしれません。でも、次の日の朝、眠い頭で「やっぱり明日からでいいや…」となってしまうのが、私たち人間です。
そんな「三日坊主」を防ぎ、頑張らずに習慣化するための、魔法のようなコツを2つだけ紹介します。
コツ①:完璧を目指さない。「1日1つ」「1分だけ」でOKにする
やる気に満ちている時ほど、「あれもこれもやろう!」と壮大な計画を立ててしまいがち。でも、それが挫折の一番の原因です。
まずは、前の章のビュッフェの中から「たった一つだけ」を選んで、「たった1分でもいい」からやってみる。 「白湯を飲む」だけでも、できたら自分に100点をあげましょう。 続ける秘訣は、ハードルを地面スレスレまで下げることです。「これなら、どんなに疲れててもできるな」というレベルまで、思いっきりハードルを下げてあげてください。
コツ②:「いつやるか」を、具体的に決めてしまう
「朝起きたら、ストレッチしよう」というフワッとした目標は、「眠いから後でいいや」となりがちです。 脳が迷うスキを与えないように、「もし〇〇したら、△△する(if-thenプランニング)」というルールを事前に決めておくのが効果的です。
(ダメな例 ✖️)
- 朝、瞑想する
- 日記を書く
これだと、「いつ、どのようにやるか」が、曖昧になってしまいます。
(良い例 ◎)
- 起床後、白湯を飲みながら、ノートを1ページだけ開く
- ベッドから出たら、すぐにクッションの上に座って瞑想アプリを1分開く
このように、「いつ、どこで、何をするか」を具体的に決めて、今ある習慣とセットにすることで、意思の力に頼らなくても、自然と行動できるようになります。
おわりに:たった5分の朝習慣が、あなたの一日に彩りをもたらす

たくさんのアイデアをご紹介しましたが、「全部やらなきゃ!」と、プレッシャーに感じなくてもよいのです。
この記事で紹介したアイデアは、決して「すごい人」になるためのものではありません。 ただ、一日の始まりのほんの数分間だけ、心の主導権を他人やスマホから、自分自身の手に取り戻すためのものです。
たった5分の穏やかな朝時間が、心に小さな「余白」を作ります。 その「余白」が、日中の予期せぬストレスに対するクッションになるのです。 ストレスにうまく対処できると、夜、穏やかな気持ちで眠りにつくことができ、穏やかな夜は、次の日のスッキリした目覚めに繋がります。
たった5分が、あなたの一日を、そして毎日を、少しずつ、でも確実に変えていくのです。
完璧じゃなくて大丈夫。三日坊主になっても、また次の日からしれっと始めればいい。 まずは、明日の朝。ほんの少しだけ、自分のための時間を作ってみませんか?
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